NHK「バリバラ」は自分の人生を考えるきっかけを与えてくれる番組

0912 バリバラ おもしろさ 番組
スポンサードリンク

おなじみ「24時間黄色テレビ」の裏で、とんでもない挑発をやってのけたバリバラ。

特に印象に残ったのは、「感動ポルノの作り方」

障害者が「かわいそう」「辛そう」に映るよう、撮影をしている風景をあえて撮影したものでしたね。

 

MCの山本さんは「悪意は無いですよ」とは言っていました。

ですが、視聴者である僕には、完全に24時間テレビに対する敵意しか感じられませんでした。

 

「笑いは地球を救う」て…。思いっきり背景もTシャツも黄色やし…。

この放送がきっかけでバリバラを知った人も多いかもしれませんね。

 

一方の僕は、ちょうど1年ぐらい前にたまたまテレビで見たことがきっかけで、毎週欠かさずバリバラを見るようになりました。

このバリバラ、初めて見た時は本当に衝撃でした。

 

なぜなら、障害者を映した映像によくある「涙」とか「感動」とかはほとんどなく、ただ淡々とおもしろい企画を流そうとしていたためです。

 

バリバラって?

バリバラ(BARRIERFREE VARIETY SHOW)は、2012年にスタートした、障害者のための情報バラエティーです。

そこに登場しているのは、ほとんどの方が障害者。

 

これまで僕らがテレビで見る障害者番組は、主にドキュメンタリーものでした。

そしてその内容は

 

  • 障害者は大変だ
  • 日々こんなにつらい思いをしている
  • かわいそう

 

というものがほとんどでした。

あの黄色Tシャツの番組は、もはや全国レベルで叩かれているのでここではあえて触れません。

 

一方のバリバラは、障害について過度に感動を呼び起こすものではないのが特徴です。

障害者の生活を追ったり、どんな障害があるのかを紹介したり。

見ていておもしろいと思える理由は、感動を求めるドキュメンタリーではなく、あくまで情報伝達バラエティである、という点なんでしょうね。

 

バリバラはなぜおもしろいのか?

バリバラの何がおもしろいかと言うと、「障害者も健常者も知るべき情報を正しく発信している点」、これが大きいと思います。

毎週嫁と一緒に見ているのですが、今までに一度も涙が出たことはありません。

 

それは、バリバラが「視聴者を泣かせようとしていないから」なんでしょうね。

 

涙の代わりに出るのが感嘆の声

 

いつも「へぇー」「ほぉー」「マジかぁ~」とか言いながらテレビにかじりついています。

 

今までに持っていた障害者に対するイメージは、本当にぼやっとしたものでした。

障害者の定義も、障害者差別も、そして何より、世の中にどんな障害を持った人がどうやって暮らしているのか?といったことも。

 

この障害に関するぼやっとした部分を、非常にわかりやすく説明してくれる番組です。

誰が見てもわかりやすい番組になっているのは、障害者自身が出演し、監修し、作り上げているからこそ、なのでしょう。

 

障害者と健常者は対立する存在なのか?

障害者に同情させるどころか、健常者をバカにしている瞬間さえ感じることのあるバリバラ。

僕の好きなシリーズ「SHOW-1 グランプリ」。

障害者の芸人さんたちが自分たちのネタでおもしろさを競うというものです。

 

  • 発達障害
  • 高次脳機能障害
  • 対人恐怖症
  • 性同一性障害
  • 筋ジストロフィー

 

など…。様々な障害を持った方が創意工夫を凝らしたネタを披露するSHOW-1グランプリ。

 

中でも注目すべきは、「寝たきりコント職人」のあそどっぐ。

確か、動かせるのが片方の親指と顔だけだった気がします。

 

正直、障害の重い軽いの判断は難しいと思います。

それぞれ人によって悩みの感じ方はそれぞれなので。

それでも、あそどっぐのように親指と顔しか動かせないとしたら、これは「かなりキツイ状況」と思わざるを得ません。

 

そんな中、あそこまで明るく、辛いところをみじんも見せずに頑張るあそどっぐ。本当に尊敬します。

ところで、以前あそどっぐのネタの1シーンにこんなセリフがありました。

 

「健常者になんかなりたくない。だって、毎日ストレスにまみれて大変そうじゃん。」

「障害者のままなら、みんな助けてくれるから楽だもん。」

 

初めて見た時、

「あれ?このセリフ、聞いて不快になる人もいるんでないの?」

そんな印象を受けたんです。

 

もちろん、コントのセリフなのであくまでも自虐ネタの1つには違いないんですが。

嫁が横で一言、こんなことを言ってました。

 

「逆に健常者の芸人が『障害者になりたくねぇ~体が動かせなくてストレス溜まるだろうな。』なんて言ったらどうなるんだろう?」

 

もう、袋叩き決定ですよね。

 

仮に芸能人がそんなことテレビで言おうものなら、芸能界から追放されかねない事態です。

弱い人、困っている人を助けるのは、人間としてとても大事な行為。

ですが、彼のコントでのセリフは、健常者から反感を買いかねないセリフです。

 

「障害者は助けてもらって当たり前」障害者みんなが感じていると思われるかもしれません。

あそどっぐのような図々しい(コントですが)人がいるからこそ、障害者が注目されることも事実なので、なんとも言えませんが。

 

最後に

「感動するな、笑ってくれ!」

 

バリバラが毎週放送をスタートした時のコンセプトはこれだったそうです。

 

以前は「不幸で可哀想」な存在としてテレビに映されていた障害者。

それがいつしか、「障害者が頑張る姿」がみんなに勇気を与えるようになり、感動の方程式が出来上がりました。

 

「感動ポルノを見て感動する人は、自分より苦労している人間を見て、自分も頑張ろうと思っているだけ」

と誰かが言っていました。確かにそれは必要なのかもしれません。

 

自分以外の全ての人間が「自分より上の存在」だとしたら。

メンタルの弱い人でなくとも、自分に生きてる意味はないと感じてしまうかもしれません。

 

しかしながら、わざわざその感情を呼び起こすために番組に使われる障害者がいたしたら、その人はたまったもんじゃありません。

 

「障害者も健常者も同じように」「みんな仲良く平等に」などという、きれいな世界にはなり得ることはないでしょう。

それでも、我々が障害について知り、見聞きすることは、今後の自分の人生を考える上で必要な行為だと思っています。