断言する。雑談のない職場に未来はない。
もう少し具体的に言うなら、雑談の無い職場では、雑談のある職場に比べてその生産性は著しく下がる。
この記事で言いたいことは、それ以上でも以下でもない、これだけ。
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コミュニケーションって、知ってる?

僕は今、フリーのエンジニアとしてゆるく仕事をしているが、以前はガチガチのお堅い企業に6年半勤めていた。
当時はまだ自分をさらけ出すほどに余裕がなかったこともあり、やや、職場の雰囲気に飲まれていた。
それもそのはず、右向けば専務がいて、左向けば社長室があり、さらに後ろのシマには表情が変わらないことで有名な人事部長が座っていた。
そんな「おカタイ」部署で仕事をしていた時期があったのだ。
必然、空気は重くなる。
空気が重くなると、全員の声のボリュームが小さくなるのだ。
みんな、必要最低限の会話しかしなくなる。客からのクレームや、自分のミスなど、少しでも上司や周りに聞かれまいとする。
どうやらそういう部署での環境に慣れきったおじさんたちは、雑談がない環境こそが、自分たちの仕事のパフォーマンスを最大に上げる要因だと思っている。
さらに、その中で自分の地位や役職が高い位置にあることに自信を持ち、「俺の部署は統制が取れている」などと勘違いさえしてしまう。
大きな間違いだ。
彼らは、「コミュニケーション」の本質をわかっていない。
コミュニケーションの本質は、ミスを防ぎ、発生したトラブルの火はできるだけ小さい段階で消し、メンバー相互の力をチームとして最大限活かすことにある。
当然、上司からの支配や圧力なんてものはあってはならない。
高圧的に攻められれば、誰だっていい気持ちはしないだろう。ミスを隠したくなるだろう。そして報告が遅れたら?
当然、結果はいい方には転ばない。
お前は俺の何なんだ?
僕は新人の頃、社内トップクラスのパワハラ上司の下で仕事をしたことがある。新人いじめには定評のあるハゲ親父だ。
あとで聞いた話だが、とにかく新人の全てを否定することにより、当人の精神力を試し、鍛え上げようとするらしい。
もはや韓国ドラマにハマる女子ぐらい理解できない。
そして入社当初の僕も御多分に漏れず、初日から激しい叱責や無視などの仕打ちを受けた。
朝話しかけたら、「朝から話しかけんな」といわれ、午後に話しかけると「今はどう考えても違うだろう」と言われ、15時ごろに話しかけたら「お前は空気が読めないな」と言われた。
しびれを切らした僕は、その後に聞いてみた。
「じゃあ、いつ話しかけたらいいんですか?」と。
するとオッサンは予想通りの答えを返してきた。
「そんなことは自分で考えろ。これだからゆとりは。もう出て行け」と。
僕は苛立ちを通り越してもはや意味不明だったので、言われた通りしばらく外に出てタバコを吸って帰ってきた。
すると今度は、「俺の許可無しに何勝手に外出てんの?」と。
僕は思った。
お前は、俺の何やねん?
と。
このケースにおいては、おそらく、何をしても結果は同じだっただろう。彼の目的が、新人を精神的に痛めつけることだったのだから。
当時は今ほどメンタルも強くなかったので(今も豆腐レベルだが)そこそこ凹んでいた。
しかし、冷静に考えればこんなくだらない行動で無駄にした時間の貴重さは計り知れない。
朝聞いたら解決したであろう話なのに、結局解決したのは翌日の朝だ。(このときもやっぱり怒られたが)
つまり、24時間を無駄にした。逆に得たものは強靭な精神力などでは決してなく、ただのイライラだけ。
この時に僕は決心した。
自分が上に立つ立場になったときには、絶対に部下や後輩に対してこんな態度は取らないでおこう、と。
だって無駄だもの。
雑談の目的はバカ話によるストレス解消ではない

職場における雑談の目的は、バカ話をすることによるストレス解消ではない。
雑談の真の目的は、話をしやすい雰囲気を作ることにある。
あなたにも経験があるのではないだろうか?
ちょっと聞けば解決することなのに、周りがみんな集中しているから言葉を発せずに時間を浪費してしまった経験が。
これこそが無駄で非効率な時間だ。
わからないことは、わかる人に聞けばいい。
質問者は、質問をすることで自分の知識を増やすことができる。
またその話の中で更に話が広がり、副次的な知識の定着も期待できる。
さらに教える側も人に伝えることで、知識をより強固なものとして定着させることができる。
これからの時代、マニュアル化できる仕事は、どんどん機械に奪われていく。
会社に行って1日中パソコンで作業し続ける仕事など、もはや何のスキルにもつながらない。
AI技術が発展していくこれからの時代こそ、コミュニケーションによる相互の意思伝達が必要になってくるのだ。
雑談が仕事の効率性を格段にアップさせる
僕は経験上、雑談こそが仕事の効率を格段にアップさせるものだと考えている。
上述の通り、誰もが気になったことや、おもしろいアイデアをいつでも発信できる状態にあれば、仕事はサクサクと進む。
1人で頭を抱えて悩むことはなくなり、年齢や性別、バックグラウンドの違う人間といつでも意見を交換し合えるのだ。
それこそが組織で働くことの最大のメリットではないだろうか?
っつーか、その部分を除いてしまえば、もはや会社で働く意味なんてないんじゃなかろうか?
そして何より、言いたいことが言いたい時に言える環境にいると、仕事そのものが楽しくなる。
「仕事が楽しい」この状態まで自分を持っていくことができれば、これ以上のことはない。
仕事の能率は上がり、前向きなアイデアも次々に生まれ、会社の業績も上がっていくことだろう。
優れたアイデアは、すべからく雑談から生まれる

それぞれが自分のPCに向かい、自分の仕事だけをする。
こんなことをしていては、いつまで経っても組織としての発展はない。
優れたアイデアはどこから生まれるのか?
- 黙々と仕事をしているときか?
- 形式ばった会議の中からか?
- 必死で考えているときか?
どれも違う。
雑談だ。
その理由は簡単。
雑談は、対話だからだ。
対話には、質問がある。
人は相手に質問を投げかける時、最も脳みそを回転させる生き物だ。
自分が「はい。」と言ってしまえば、対話は終わる。
そうではなく、お互いに会話を弾ませるためには、必ずどちらかが質問しなければならない。
その質問をする時に脳みそをフル回転させることで、脳の活性化を図り、楽しく、前向きなアイデアが出るのだ。
あなたにもこんな経験があるかもしれない。
職場の同僚との何気ない雑談の中で、「あ、これシステム化しちゃえば便利じゃない?」とか、「あ、こんなものあったら便利なんだけどなぁ」みたいな会話が。
あとはそれを実行に移す行動力のみ。
これも職場の雰囲気が良ければ、みんなが前向きに動き出すことだろう。
職場における本当の改革は、目の前の小さい仕事の効率化や、ほんの少しの改善案から始まるものなのだ。
集中したい人は好きに集中すればいい

「周りが騒がしくて仕事に集中できない」
そんなヤツも結構いる。
だけど、それはただの言い訳でしかない。
結局、集中できるかどうかは己次第なのだ。
あまりにも夢中になり過ぎて、気付けば3時間も経っていた、なんて経験は誰にでもあるだろう。
それこそが、集中であり、好きのしるしだ。
周りがどうとか、みんながうるさいだとか、そんなつまらんことは目に入らない、この状態に入っているときが、本当の集中状態。
それができないのは、セルフコントロールが甘いだけ。周りがしゃべっていても、自分が会話に入らなければいいだけの話。
最後に
先述の通り、僕は今フリーのエンジニアとして、好きに働いている。誰からの支配も受けていない。
もともと学生の頃から起業に興味はあったので、今はある意味1人起業家ではある。しばらくは人を雇うことは無いと思うけど、今後もないとは言い切れない。
もし自分が会社を興すことになったら、雑談だらけの楽しい職場にする。絶対に。
誰が誰に支配を受けるでもない。自分たちの好きなように仕事をすればいい。
仕事の効率が上がるのなら、昼から出社しようが、持ち帰って家でやろうが、酒を飲んで出社しようが一向に構わない。
9時から17時までは会社にいないといけない、とか、上司は部下より優れている、とか、そういうオッさんの頭の中の常識なんざ、クソ喰らえだ。
インターネットが普及し、これまでの働き方が見直されつつある現代だからこそ、俺らのような若い世代が積極的に生き方を変えなきゃならない。